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インタビュー
内容(抜粋)

  旭道山和泰氏: 徳島県の現状について教えてください。
  山西:

 徳島はもともと保守勢力が強い土地柄でした。
 ところが、元知事の、建設業者からの収賄事件で逮捕されるという事件や、吉野川の可動堰反対の住民運動なんかがあって、事情が変わりました。
 公務員と建設業者の関係を厳しくしないわけにはいかなくなりました。
 今、徳島県は全国でもトップクラスの、入札改革を進めています。

 旭道山和泰氏:そういう変化の中で、建設会社はどういう改革を進めるべきだと、考えていますか?
  山西:
 公共工事が減少するのは、避けられない事態です。
 そうすると、生き残るためには民間工事に道を求めるしかないというのは、誰でも考えるところです。
 しかし、地方の建設会社というのは、入札で工事を取ってばかりでしたから、普通の会社にあるものがないのです。
 それは「営業」です。
 ですから、建設会社は、営業の技術を身につけて、民間工事に乗り出すという方法が、まず考えられます。
 しかし、民間向けに営業をかけるには、公共工事の工事費は高すぎるんです。
 もし、営業をするとなると「当社は他の建設会社とは○○の部分が違います!」という違いを打ちださないと、営業ができません。
 違いということで、一番わかりやすいのが「安さ」なんです。
 そうすると、営業マンを雇う前に、まず工事の効率化を図る必要がどうしてもあるんです。
 とこらが、公共工事ばかりやってきた業者は、工事の効率化を図るという発想自体がもてないんです。

 旭道山和泰氏:どうしてですか?
        公共工事でも、儲けるためには効率化を考えるのが当たり前ではありませんか?
  山西:
 私が5年前に行った工事で説明します。
 これは、県の工事だったんですが、川の中にコンクリートを打つ工事でした。
 コンクリートを直接川の中に打つと溶けてしまいますから、川の上流をせき止めます。そうしてパイプで工事現場より下流に放流します。
 ところで、こういう設計は建設会社ではなく、県の工事担当者が行うんですね。
 ですから、安全側を見た設計になりがちです。
 例えばここでは、パイプの長さが200メートルとして、設計したとします。
 すると200メートルのパイプ仮設代は工事の設計金額に積算されて、入っています。
 ここで、業者が「企業努力」して200メートルのパイプを100メートルで済ます方法を考えたとしますね。
 でもそうすると、100メートルのパイプ代しか見てくれなくて、請負金額は減ってしまうんです。
 ですから、業者はいろいろな理由をつけて、逆にこのパイプを250メートルとかにしようとするんですね。
 この方が儲かりますから!
 だから、この方法で公共工事を行っている限り、業者は非効率な工事をすればするほど儲かるという仕組みになっています。
 こういうことを何十年もしてきましたから、建設会社には、効率的な工事をしようという発想自体がないですね。
 だから、急に工事効率化なんていわれても、建設会社にはできないんですね。

 旭道山和泰氏:建設会社の将来はどうなると思いますか?
  山西:
 地方の建設会社は厳しいですね。それは、普通の人が考える以上です。
 先日、政府は「骨太の方針」を発表しました。
 公共工事費を5兆円ぐらい減らすといってますが、皆さん気が付いていないのは、これはじつは消費税の増税とセットになっている点です。
 消費税というのは、商取引によって発生する税金なんです。ですから、取引が活発になるほど税収が上がる性質があります。
 つまり、景気が良くなると税収が上がるんです。
 そうすると、財務省は当然、景気を良くする方法を考えなくちゃなりません。
 どうしても、公共投資も経済波及効果の高いものになりますね。
 そうしたら、都市型公共投資にならざるを得ません。
 都市の渋滞緩和の高速道路や鉄道高架、あるいは地下鉄、駐車場とか・・・・
 そうなると、地方の林道なんかは、一番に削減されるのが想像できます。
 
旭道山和泰氏:こうなった原因はなんでしょう?

山西:
 歴史の流れです。
 堺屋先生は、現在の変化は明治維新に匹敵すると言われております。
(中略)
 建設会社には、一般の会社にあって建設会社にないものがあったと思います。
 それは市場・マーケットです。
 マーケットとはすなわち(一般の)お客さんということです。
 ひらたく言うと営業をしなさいと、営業部門を持ちなさいということです。
 これが時代が建設会社に求めている一番のことです。

 しかし、いきなり営業をしなさいと言われて納得できるものでないことは、私もこの業界が長いですからよく分かっています。
 そこで出来るだけ普通の建設会社さんが、できることから解説しています。
 これをご覧になる建設会社の社長さんが、その前に意識改革が出来るかどうかが本当の生き残りの肝要な部分だと思います。

 



山西 茂:
       1958年生まれ

       国立高知工業高等専門学校卒業
       卒業後、某建設会社に就職するも、父親の急病にて帰郷。
       地元の建設会社に就業し22年以上、勤める。

       最終的な肩書きは、代表権のない専務。

       会社の事情により若くから、地方公共団体の入札に参加する。
       建設業界の内情に詳しくなる。

       1999年より「中小建設業生き残り研究会」有志とともに設立。

       土木施工管理士・建築施工管理士




親交のある、イギリス・オックスフォード大学DuncanLaing
 



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